2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,012名(単体) 4,937名(連結)
  • 平均年齢
    44.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.6年(単体)
  • 平均年収
    7,112,122円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

加工食品事業

1,172

(472)

低温食品事業

1,273

(506)

酒類事業

400

(161)

菓子事業

537

(235)

全社(共通)

1,555

(253)

合計

4,937

(1,627)

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人数(151時間/月換算)であります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に当社管理部門に所属しているものであります。

4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,012

(268)

44.8

19.6

7,112,122

 

セグメントの名称

従業員数(名)

加工食品事業

733

(1)

低温食品事業

999

(9)

酒類事業

323

(1)

菓子事業

402

(4)

全社(共通)

1,555

(253)

合計

4,012

(268)

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人数(151時間/月換算)であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

 当社に「三菱食品労働組合」(組合員数2,818名)が組織されております。

 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

(2024年3月31日現在)

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

2.7

49.2

58.6

61.5

69.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

女性管理職比率については、2030年までに10%を目標に掲げており、引き続き社員の多様性や個性を尊重し、それぞれの能力や適性を最大限発揮し、活躍できる職場環境づくりと、互いに認め合う組織風土の醸成を図っており、年齢や性別、国籍等によらず優秀な社員の登用を進めてまいります。

また、男女の賃金の差異については、男女において同一の資格・評価・賃金制度を適用しており、人事制度における男女間の差異は設けておりません。ただし、従来から担当業務により職掌を分けており、総合職と一般職、管理職と非管理職といった職掌毎の男女間の人数割合の違いが、男女の賃金差異の背景となっております。なお、今後も男女を問わず管理職への登用や、若手社員に対するキャリアデザインセミナーを実施してまいります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等及び育児目的の休暇の取得割合を算出したものであります。

育児休業等及び育児目的の休暇の取得割合は、男女共に100%を目標としており、引き続き男女を問わず育児や介護と仕事を両立しやすい環境を構築するため、社内への制度周知や事例紹介を行うとともに、社内セミナー等による意識改革を進めてまいります。

なお、女性労働者の育児休業取得率は100%となっております。

 

② 連結子会社

(2024年3月31日現在)

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

 

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

株式会社

ケー・シー・エス

0.0

 

62.4

74.8

84.0

キャリテック

株式会社

0.0

0.0

0.0

0.0

(注)2.

52.3

77.1

75.9

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

なお、両社の女性正規雇用労働者数は次のとおりとなっております。両社においても、社員の多様性や個性を尊重し、それぞれの能力や適性を最大限発揮し、活躍できる職場環境づくりと、互いに認め合う組織風土の醸成を図っており、性別等によらず優秀な社員の登用を進めてまいります。

・株式会社ケー・シー・エス:全正規雇用労働者88名の内、18名(20.5%)

・キャリテック株式会社:全正規雇用労働者408名の内、51名(12.5%)

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「三綱領」を企業理念とし、食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献するとしたパーパスのもと、中長期的な企業価値の向上には、サステナビリティ重点課題の解決を同時に実現することが必要不可欠と認識し、社会課題の解決・社会的責任を重視したサステナビリティ経営を行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因が異なる可能性があります。

 

サステナビリティ全般

 

(1) ガバナンス

当社は、事業活動を通じたサステナビリティ課題への取り組みを全社的に推進することを目的とし、2021年3月に経営会議(経営執行における意思決定機関)の諮問委員会として、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。

「サステナビリティ委員会」は、サステナビリティ課題全般への対応を主管し、また、「全社リスクマネジメント委員会」とも連携して、気候変動を中心としたサステナビリティ関連のリスクの把握及び管理、具体的な対応戦略の立案・推進を担っております。

2021年6月にCSO(Chief Sustainability Officer)を設置のうえ、これを代表取締役社長が兼任し、サステナビリティ経営に係る基本方針や重要事項について、「サステナビリティ委員会」での検討を経て経営会議にて審議・決定することとしております。同内容は取締役会に付議・報告(年2回)し、取締役会の監視・監督が図られる体制としております。

株式報酬指標のうち非財務指標にESG外部評価が組み込まれており、気候変動を中心としたサステナビリティ関連の取り組みの達成度はESG外部評価の中で評価され、報酬に反映されております。株式報酬は報酬構成(基本報酬、業績報酬、株式報酬の全体に占める割合として)16.5%としており、ESG外部評価指標はそのうち10%をウェイトとして設定しております。

 

(2) リスク管理

当社グループの事業活動における、発生した場合に大きな影響を与える、あるいは、当社グループの事業戦略との関連性が高い気候変動を中心としたサステナビリティ関連のリスクについて、「サステナビリティ委員会」においてリスクシナリオを設定して分析し、評価を行っております。そのうち、主要なリスクについては、全社リスクマネジメントプロセスに組み込み、全社リスクマネジメント委員会において、他の事業リスクとともに評価・管理しております。

 

(3) 戦略 及び 指標と目標

当社は、2030年度を最終年度とする経営計画「MS Vision 2030」を策定し、三菱食品グループのパーパス(存在意義)として従来の「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」に、「サステナビリティ重点課題の同時解決」を追加いたしました。

このパーパスと企業理念である「三綱領」の考えのもと、社会課題の解決・社会的責任を重視したサステナビリティ経営を今後ますます加速して推進すべく、「2030年に向けた4つのサステナビリティ重点課題と10項目の目標」の解決・達成を図ります。特にCO2の削減については、パリ協定の枠組みや日本政府の宣言にも沿う形で、当社も「2050年カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げ、その通過点として2030年目標を実現したいと考えています。また、食品流通を担う企業として、引き続きサプライチェーン全体を視野に入れた食品廃棄物の削減にも加速して注力いたします。

これらの取り組みをはじめとしたカーボンニュートラルの実現に向けた当社の挑戦は、同様にカーボンニュートラル実現を目指すお取引先様に当社が選ばれるための資格を得ることを意味しており、この分野における当社の取組は、食品流通におけるサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの実現に繋がっていくものと確信しております。
 

気候変動対応

 

当社グループは、気候変動をサステナビリティ重点課題として認識し、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同しております。今後、2050年カーボンニュートラルに向けたGHG排出量の削減や、「食の安全・安心・安定供給」の実効性向上に向けたサプライチェーン全体の強靭な体制構築などに取り組むとともに、TCFDとその後継である国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)によるサステナビリティ開示基準(IFRS S2号)に沿った情報開示の拡充及びステークホルダーとの対話を深めてまいります。

 

(1) ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは「サステナビリティ全般(1)ガバナンス」をご参照ください。

 

(2) 戦略

リスク・機会の特定

当社では、気候関連のリスク・機会の特定にあたり、移行リスク・物理的リスク・機会の観点で幅広い事象を洗い出したうえで、今世紀末までの気温上昇が1.5℃を下回るシナリオ、いわゆる「1.5℃シナリオ」を含む2つのシナリオを用いて事業への関連性の高いリスク・機会を抽出しております。特定されたリスク・機会に関し、それらシナリオに基づいた財務インパクトを定性的に評価し、一部のリスクについては定量的に評価しております。特に、2023年度は各シナリオ分析テーマにおける対応戦略への取り組みを実施し、開示内容の更新を実施いたしました。

なお、抽出した気候関連リスク・機会はシナリオベースでの評価であり、事前の対策及び準備により、リスクの軽減及び機会の創出・拡大が図れるよう努めてまいります。

 

リスク・機会の

主要因

気候関連リスク・機会

リスク・機会発現までの期間

財務インパクト(利益ベース)

移行リスク

 

炭素価格の導入・引き上げ

炭素価格の導入による操業コストの増加

中期

炭素価格の導入による仕入原価の増加

中期

燃料価格の上昇

燃料価格の上昇による輸送・保管コストの増加

中期

燃料価格の上昇による仕入原価の増加

中期

電力価格の上昇

電力価格の変化による輸送・保管コストの増加

中期

電力価格の変化による仕入原価の増加

中期

化石資源需要の低下

化石資源の需要の変化による蓄冷剤コストの増加

中期

物理的リスク

 

気温上昇による感染症リスクの高まり

気温上昇による感染症リスクの高まりに起因する消費者の外食利用機会の低下

中期

風水災の頻発化・激甚化

風水災の頻発化・激甚化による事業拠点の被災

短期

風水災の頻発化・激甚化による農場や圃場の生産力低下

短期

風水災の頻発化・激甚化によるサプライチェーンの途絶

短期

機会

 

共同配送、モーダルシフトの取り組み進展

共同配送、モーダルシフトの取り組み進展による、輸送保管コストの低下

短期

再生材・バイオマス関連技術の開発進展

再生材・バイオマス関連技術の開発進展による、低環境負荷容器・包装製品の売上増加

短期

【リスク・機会発現までの期間】 ・短期:3年以内、・中期:3年超10年以内、・長期:10年超

【財務インパクト】 ・小:10億円以内、・中:10〜50億円、・大:50億円超

 

抽出・整理した気候関連リスク・機会について、財務インパクトの大きさや事業戦略との関連性を勘案し、当社として「重要度が高い」と評価した事項についてTCFDガイダンスに準拠したシナリオ分析を行っております。シナリオ分析結果については、当社ホームページに掲載しておりますので、以下URLをご参照ください。
https://www.mitsubishi-shokuhin.com/sustainability/esg/environment/tcfd/

シナリオ分析結果を踏まえ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、Scope1及びScope2における削減ロードマップの策定とその実行を進めるとともに、Scope3の削減や強靭なサプライチェーンの構築に向けて、取引先各層と積極的な連携を推進してまいります。また、「食の安全・安心・安定供給」の更なる実効性向上に向け、気候変動に伴う事業拠点の浸水リスク削減への検討など、オールハザードへの対応としなやかな物流体制の構築に取り組んでまいります。

 

(3) リスク管理

気候変動に関するリスク管理は「サステナビリティ全般(2)リスク管理」をご参照ください。

 

(4) 指標と目標

当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、GHG排出量(Scope1,2)を定めております。自社の事業活動でのGHG排出量について、2016年度を基準として2030年にマイナス60%削減することを目標としております。

指標

2023年実績

2030年目標

GHG排出量

[千t-CO₂e]

42.1

Scope1 : 15.6

Scope2 : 26.5

36.1

(2016年度比60%削減)

※国際的な算定・開示基準であるGHGプロトコルに基づき算定しております

Scope1 : 事業者自らによるGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)の直接排出

Scope2 : 他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出による排出量

これらの指標・目標に対する進捗を定期的にモニタリング・管理し、脱炭素社会の実現に向けた貢献をより確かなものにしてまいります。

 

 

人的資本関係

 

人事戦略の基本的な考え方

当社は、パーパスを定め、それを実現する中で目指す在り姿として経営計画「MS Vision 2030」を策定し、持続的な企業価値向上を図っております。これらを実現するためには、当社グループの最大の財産である人的資本の強化と、それぞれの社員が個性や能力、適性を活かしながら最大限活躍することが必要と考えております。

このため、当社は従来から、「明るく・楽しく・元気よく、そして前向きに」をスローガンとし、人財のWell-Beingを実現していくことが重要と考えており、その上で、事業環境の変化に柔軟に対応し新たな付加価値を生み出すためにチャレンジする企業文化への変革を図っております。この変革を支えるため、求める人財像を「チャレンジする自律したプロ人財」と定め、チャレンジし続けることによる社員の持続的な成長と、エンゲージメントの向上による社員の活躍を促しております。

なお、当社グループの人事戦略は、経営会議の諮問機関である人財開発委員会で、経営戦略を実現するための採用から配置・登用、退職まで一貫した人事戦略を検討し、以下のとおり人財育成方針と社内環境整備方針を定め、それぞれ実行しております。各人事施策は、効果検証を行い必要に応じて見直しすることで、効果的に人的資本の強化を図っております。

また、2024年度より、経営戦略と連動した人事戦略や人財に対する投資と活用の責任を明確にし、人的資本経営を推進することを目的に、CHRO(Chief Human Resource Officer)を設置しております。

 

 

 

(1) 人財育成の基本方針

当社では、チャレンジする企業文化への変革を目指し、職責や役割を基準とした人事制度を施行しております。各組織のミッションを明示することで社員にチャレンジを促すとともに、キャリアやそれを実現するためのスキル等の選択肢を用意・提示し社員の成長を支援しております。

また、当社の主たる事業である卸売事業においては、多様な商品を組み合わせ、地域・お客様ごとの購買環境や物流を考慮した最適な提案が求められており、そのためには経験の深さ・知識の広がりが必要となることから、日々のOJTや異動・配置を通じて、人財の育成に努めております。更に、お客様との幅広い接点を基盤に、商品開発や原材料のビジネス、海外サプライヤーや海外市場での取組み、データ・デジタルを活用したマーケティング等を強化しており、人財の早期育成や有望分野での人財活用、社員のキャリア支援のために体系的な教育・研修(Off-JT)を整備しております。

なお、今後は、事業戦略と連動した人財ポートフォリオを策定し、経営計画「MS Vision 2030」で掲げる成長戦略の実現に必要な人財要件を明確にした上で、人財を確保・育成するとともに、社員の自律的なキャリア形成を支援するための各種教育・研修施策を講じる予定であります。

 

①チャレンジを促す仕組み

当社では、役割や職責を基準とした人事制度を施行し、約700ポストの職務記述書を作成しております。職務記述書には各ポストのミッションや職務内容、必要なスキル・経験等を記載しており、社員が目指すキャリアとそれを実現するために身に付けるべきスキル・経験を明確にし、各事業に必要な人財の成長を支援しております。

また、管理職相当の専門職として「エキスパート職」を設け、それぞれの専門領域で活躍するとともに、「三菱食品ビジネスカレッジ」の講師や社内の相談窓口としても活躍しております。

非管理職層についても、役割を基準とした制度とすることで、30歳で役職に就くことが可能としており、年齢や性別、国籍等によらず優秀な社員の抜擢を進めております。

 

②自律的なキャリア形成の支援

体系的な教育・研修(Off-JT)として、支社長・本部長を対象に組織風土改革を目的とした「コーチングプログラム」や、次世代の経営幹部人財育成を目的とした「三菱食品経営塾」、管理職を対象とした「360度サーベイ・マネジメントセミナー」等をはじめとした研修プログラムとともに、2022年度より自律的な学びを支援するために「三菱食品ビジネスカレッジ」を創設し、本人希望で参加を募る「手上げ式研修」や、「オンデマンド型自主学習ツール」、「通信教育制度」を設けております。今後、メニューの更なる充実と社員のだれもが教育を受けられる機会を提供することで、引き続き自律的な学びを支援してまいります。

また、上司・部下間の「1on1」にてコミュニケーションの強化を図り、自律的なキャリア形成を支援し、社員一人ひとりの成長を促すとともに、組織力の向上・改善を図っております。更に、中立的な立場から、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成の支援や助言を行うために、キャリアコンサルタント(国家資格)有資格者10名を社内相談窓口として設置しております。

なお、従来から、新たな業務への主体的なチャレンジを促すために社内公募制度を設けており、今後は職種ごとのキャリアのイメージを作成し、キャリアの選択肢を可視化することを予定しております。

 

③デジタル人財育成

事業環境が大きく変化する中で、業務効率化や新たな付加価値の創出により持続的な成長を支えるために、全社員がデジタルツールを活用して業務効率化できる「デジタル利活用人財」になるとともに、全社員の約2割(982名)をDXの推進やデジタル技術でデータ分析・業務改革・システム開発等ができるデジタル人財として認定しデジタル人財基盤を構築しております。

なお、経営計画「MS Vision 2030」の実現においては、デジタル人財の育成のみならず、語学研修等の強化による海外人財の育成等、社員にリスキリングの機会提供を拡充し、成長戦略の実現に向けた専門人財の確保・育成を強化してまいります。

(2) 社内環境整備の基本方針

当社は、「明るく・楽しく・元気よく、そして前向きに」をスローガンに掲げWell-Beingを実現していくとともに、社員がエンゲージメントを高く持ち、安心して、長く働ける社内環境を整備し、「働きやすく、働きがいのある組織風土」を醸成することで、新たな付加価値の創出と生産性の向上を目指しております。

 

①社員エンゲージメント

当社では、働きやすく、働きがいのある組織風土の醸成に向け、2011年の発足以降、毎年、外部機関による組織風土調査を実施しております。調査では、社員が自発的に仕事に取り組む意欲を表す「社員エンゲージメント」をはじめ、働くための環境が整備されているかを表す「社員を活かす環境」等を測定し、全社及び各組織の強みと課題を人事施策へ反映するとともに、各組織における課題解決に向けて議論を促すことで、現場起点の改善も進めております。

また、社長をはじめとした経営陣が現場を訪問し、自らの言葉でパーパスやビジョンの背景や趣旨等を説明し対話を重ねることで、浸透を図るとともに社員エンゲージメントの向上を図っております。

更に、社員エンゲージメントについては、中長期的な企業価値向上を支える重要指標と考え、経営計画「MS Vision 2030」における経営指標に設定し、役員報酬決定時の指標とすることで、社員エンゲージメント向上に対する経営陣のコミットメントを強化しております。

【参考】2023年度組織風土調査結果

各設問5段階評価の内、上位2段階を肯定的回答とし、肯定的回答をした社員の割合は次のとおりであります。

・社員エンゲージメント肯定的回答率:59%(前年比+1ポイント)

・社員を活かす環境肯定的回答率:57%(前年比±0ポイント)

 

②ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

当社は、社員の多様性や個性を尊重し、それぞれの能力や適性を発揮し、最大限活躍できる職場環境づくりと、互いに認め合う組織風土の醸成を図っております。

その上で、当社は、中長期的に当社を支える人財と高度なスキルや専門性を有する人財の確保を目的としてキャリア採用を積極的に実施しており、2023年度の採用者数に占めるキャリア採用者の割合は41.9%となっております。今後も、各年度のキャリア採用比率は20%以上を目標として継続してまいります。

また、障がい者雇用においては、社会的責務を果たすべく、法定雇用率の常時達成に向けて、継続的な採用と定着支援を実施し、個々の特性を活かしながら、長期に活躍できる環境を提供しております。

なお、当社は、次代の社会を担う子どもの健全な育成の支援を継続しており、2016年に「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けるとともに、2023年度に女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況等が優良な企業として厚生労働省が定める「えるぼし認定」の2つ星(2段階目)の認定を受けております。2030年までに女性管理職比率10%の目標達成に向け、2024年度は女性管理職に対する社外メンターを設置するとともに、管理職に対するダイバーシティマネジメントセミナーを実施し、性別や年齢等の属性に捉われず多様な社員が活躍できる環境整備に取り組んでまいります。

 

③健康経営

健康増進担当の責任者として、CHO(Chief Health Officer)を設置し、経営陣をはじめ全社一丸となって健康経営に取り組んでおり、「健康経営優良法人」に5年連続で認定され、その中でも上位500法人として「健康経営優良法人 ホワイト500」に認定されました。

なお、当社は「社員が心身ともに健康で自発的に仕事に取り組むことで、能動的な組織風土を作り、業績にもプラスの影響を与える」と考え、健康の5つの要素(「肉体的健康」「精神的健康」「社会的健康」「主体的行動」「ワークとライフのコントロール」)を高め、自己効力感と健康意識の向上を図るために、ウォーキングイベント、メンタルヘルスに関するeラーニング、認知や感情・コミュニケーションに関するセミナー等を実施しております。

④働き方改革

働き方や価値観の多様化に合わせて、働く場所や働く時間の選択肢を増やし、生産性の向上と自律的な働き方を推進するため、テレワーク制度やフレックスタイム制度を導入しております。コロナ禍を経て、出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッド勤務が定着し、それぞれの業務に応じた効率的な働き方として、ハイブリッド勤務を継続しております。

また、ワークライフバランスの実現のため、適切な労務管理により過重労働の防止に努めており、2023年度の全社平均総労働時間は年2,073時間となっております。2030年度には全社平均総労働時間を1,800時間とすることを目標としており、更なる業務効率化と生産性向上に努めてまいります。