リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
なお、下記は当社グループの事業その他について、予想される主なリスクを可能な限り具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
リスク分類 |
影響のある事業等 |
リスクの具体的イメージ |
主な取り組み |
金利変動リスク |
主に鉄道業・不動産賃貸業・ホテル業 |
当社グループは、多額の設備投資を要する事業を営んでおり、必要資金の多くを社債や金融機関からの借入により調達しており、2024年3月末の有利子負債残高は総資産の55.6%に相当する3,978億7千5百万円となっております。当社グループとしては可能な限り有利子負債の固定金利化を進め、金利の変動リスクの抑制に努めておりますが、今後、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・リスク状況の適切なモニタリングとヘッジの実施 |
法的規制 |
鉄道業 |
鉄道事業者は、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。また、旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないとされています(第16条)。このため、沿線人口減少、物価の高騰等の事業環境の変化に対して、運賃変更等の対応を素早く行うことは困難であります。よってこれらの事象が発生した場合、事業環境変化に応じた収益の改善が遅れるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・関係法規類の教育 ・法律変更等の情報収集の徹底 ・内部監査の確実な実施 |
その他各事業 |
当社グループが展開する各種事業においても様々な法令・規則等の規制を受けており、これら法的規制が強化されるなどの変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規則・開示精度等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・関係法規類の教育 ・法律変更等の情報収集の徹底
|
リスク分類 |
影響のある事業等 |
リスクの具体的イメージ |
主な取り組み |
少子高齢化 |
主に運輸業 |
わが国は少子高齢化が進展しており、安全対策、バリアフリー化などの設備投資の増加が見込まれるほか、生産年齢人口減少に伴う就学・就業人口減少によって、運輸業の旅客輸送需要を減衰させ、収益の減少及び経営コストの増加によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・相鉄線沿線居住者と来街者の拡大につながる施策展開 ・相互直通運転とのシナジー効果を視野に入れた東京都心での収益不動産投資 ・沿線顧客に対する新たな付加価値(新サービス)の提供 |
自然災害等 |
全事業 |
運輸業をはじめ、多岐にわたる事業を展開している当社グループは、事業運営のため駅施設や商業ビルをはじめとする多くの設備・コンピュータシステム等を保有・運営しているとともに、多数の従業員が業務に従事しております。また当社グループが展開する各事業では、不特定多数のお客様を対象顧客としております。地震・台風等の自然災害や事故或いはテロ等の不法行為、さらにそれらに付随する諸事象が発生した場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、営業休止やお客様の減少等により売上が減少するほか、施設等の復旧にかかる費用増加が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・事業継続計画(BCP)の策定 ・災害・大地震発生時における訓練の実施 ・異常気象等の災害による輸送障害への対応力強化 ・情報連絡・復旧体制の確立
|
感染症等リスク |
全事業 |
感染症等の流行により、運輸業の輸送人員の減少、ホテル業の客室稼働率低下、不動産業において運営するショッピングセンターの臨時休業や営業時間短縮等の対応などによる売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・感染拡大防止に向けた取り組みの徹底 |
食品の安全性 |
主に流通業 |
当社グループは流通業などで食品の販売等を行なっており、食品の安全性確保に十分留意しておりますが、当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合、消費者の食料品に対する不安感が高まり、著しく売上が減少するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・品質管理の徹底 ・保健所等との平時からの連携、情報収集 |
個人情報管理 |
全事業 |
当社グループでは、各種事業において顧客管理情報等の個人情報を保有しております。個人情報については「相鉄グループ個人情報保護方針」に基づき厳正に管理しておりますが、万が一何らかの理由で情報の漏洩などの事態が生じた場合は、損害賠償請求や信用失墜による売上減少など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・情報漏洩防止に資する周知及び情報漏洩リスク防止のための訓練を継続的に実施 |
リスク分類 |
影響のある事業等 |
リスクの具体的イメージ |
主な取り組み |
不動産市況悪化のリスク |
不動産に関連する各事業 |
当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産について、時価の下落や不動産市況の停滞或いは悪化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・アセットマネジメント戦略を策定し、資産価値の維持向上及び保有資産のコスト削減 |
保有資産及び商品等の瑕疵・欠陥 |
当社グループが保有する不動産等の資産に、瑕疵や欠陥が生じた場合又は健康や周辺環境に影響を与える可能性等が認められた場合、改善、原状復帰及び補償等にかかる費用が発生する可能性があります。また、当社グループにおいて販売した商品等について瑕疵や欠陥が生じた場合についても、商品等の回収、改善及び補償等に伴う費用の発生や信用低下等に伴い当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・社内・協力会社に対して、周辺環境への配慮の徹底、品質向上に対する施策を実施 |
|
海外情勢 |
主に不動産業・ホテル業 |
海外における政治経済情勢の大幅な変動、テロや紛争の発生、各国の法的規制の変更等により、海外事業活動の縮小・停止が発生する可能性があります。また市場や為替相場の動向により、原材料価格の高騰、調達遅延、為替差損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
・定期的な海外情勢及び為替相場のモニタリング ・外部専門家の活用 |
配当政策
3【配当政策】
相鉄グループは、中核事業として鉄道事業を有する公益性の高い業種であり、長期にわたる健全経営が望まれることから、経営環境、設備投資計画等を勘案し、内部留保の充実をはかりながら、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針といたします。具体的には業績に応じ、連結配当性向30%を目安として、利益配分に努めてまいります。
また、当社における剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本としており、配当の決議機関は中間配当が取締役会、期末配当が株主総会であります。
これらの方針に基づき、当事業年度における剰余金の配当につきましては、期末配当金として1株当たり30円とし、中間配当金20円と合わせて年間配当金は1株当たり50円としております。
内部留保資金につきましては、有利子負債の返済に優先的に充当するほかグループ内における設備投資等の資金需要に備える所存であります。
なお、当社は中間配当ができる旨を定款で定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月2日 |
1,959 |
20.00 |
取締役会 |
||
2024年6月27日 |
2,939 |
30.00 |
定時株主総会 |