2026年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態および経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努めております。

  なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 法的規制による影響について

 当社グループは、鉄道事業法および道路運送法による運輸業を主な事業としており、それぞれの法令等に基づく許可、認可等が当社グループの事業遂行の前提となっているほか、他事業においても大規模小売店舗立地法や独占禁止法および個人情報保護法等の法規制を受けております。現在の規制に重大な変更があった場合や、これらの法律に違反する事由が生じて企業活動が制限された場合には、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(2) 自然災害等による影響について

 当社グループが主に事業展開している兵庫県南部において1995年1月に発生した「阪神・淡路大震災」や2011年

3月に発生して全国的な影響をもたらした「東日本大震災」のような大規模な地震・津波や、台風・洪水等の自然

災害、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等を含む感染症、テロ等が発生した場合を想定し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、想定を上回る自然災害等が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 また、脱炭素社会への移行に伴う費用増や、異常気象の激甚化による災害が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。なお、想定される気候変動に対するリスク・機会を洗い出し、対応策を実行していくとともに、当社は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同を表明し、同提言に基づく情報開示を進めております。

 

(3) 競合路線および人口減少等による影響について

 当社グループは、運輸部門において、他の鉄道・バス等の輸送機関や自動車等の交通手段と競合しているほか、

沿線就業人口の減少や、少子高齢化の影響を受けております。今後、景気動向やさらなる競争激化、少子高齢化の

進展等による人口減少により当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 兵庫県南部地域の景気動向について

 当社グループは、兵庫県南部地域にある鉄道路線を核として展開してきたため、同地域内に経営資源が集中して

おります。このため当社の業績は、関西地域、なかでもとくに兵庫県南部地域の人口・地価・景気動向の影響を強

く受けております。よって兵庫県南部地域の景気動向等が悪化した場合、その悪化が全国的であるか局地的である

かを問わず当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(5) 運輸部門における事故について

 鉄道事業やバス事業を営んでいる当社グループにおいて、安全で質の高いサービスを提供することは最も重要

な課題の一つであると考えており、全踏切への支障報知装置の設置を既に完了し、引き続き防災対策工事の

施工、変電所・自動列車停止装置(ATS)の更新・高機能化等、事故を未然に防ぐ対策、事故の発生時に被害を

最小限に抑える対策を進めておりますが、これらの対策で防ぎきれない大事故が発生した場合には、当社グループ

の財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 流通部門における景気動向および競合による影響について

 流通部門の中心である百貨店業において、景気低迷や天候不順等を理由とした消費低迷による収益の減少や、同

一商圏や近隣商圏における競合店の新規進出等による競争激化により、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(7) 不動産部門における地価の変動および景気動向による影響について

 不動産分譲業においては、景気低迷時における販売数減少や地価の下落に伴う評価損の発生、不動産賃貸業にお

いては、景気低迷時におけるテナント等の退出、倒産、賃料減額要求が発生する可能性があり、これらの事象によ

っては当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(8) 国際情勢等による動力費等への影響について

当社グループは、燃料価格の動向に関して国際情勢の影響を受けております。原油価格の変動や原子力発電所

運転停止による火力発電比率の上昇が、鉄道の電気料金およびバス・タクシーの燃料価格等の変動へつながり、収支に影響を与えております。今後の電気料金や燃料費の動向次第では、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(9)有利子負債への依存について

 当社グループにおいては、中心となる当社が鉄道事業の設備の維持・更新や不動産賃貸・不動産分譲業への投資にかかる資金、百貨店業における店舗改装等のための資金を、主として金融機関からの借入金により調達しているため、有利子負債への依存度が高い水準にあります。当社グループとしては、収支とのバランスを勘案した設備投資を行い、保有資産の有効活用を進めることで増益を図り、キャッシュ・フローの改善に努めたり、資金調達の多様化に積極的に取り組んだりすることにより、金利上昇リスクによる影響を最小限に抑える努力をしておりますが、現行の金利水準が大幅に変動することがあれば、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

 最近3連結会計年度における有利子負債の状況は、次のとおりであります。

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

有利子負債残高(百万円)

39,346

43,194

42,525

長期借入金(百万円)

27,536

31,203

30,730

短期借入金(百万円)

5,652

5,972

5,793

1年内償還予定の社債(百万円)

6,000

社債(百万円)

6,000

6,000

リース債務(百万円)

39

18

2

その他有利子負債(百万円)

117

総資産額(百万円)

114,533

122,690

130,301

有利子負債依存度(%)

34.4

35.2

32.6

 

(10)固定資産の減損について

 今後、景気の動向や不動産価格の変動等によって資産のキャッシュ・フローが大幅に減少したとき、あるいは時

価の下落等によって新たに減損損失の計上が必要となったとき、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(11) 情報システムや情報セキュリティに関するリスクについて

 当社グループでは、売上管理やグループ内外との連絡等、多くの業務に情報システムを利用しております。これ

にあたっては、「個人情報保護ポリシー」および「情報セキュリティポリシー」に基づく各種規程の整備や、情報システムによる漏洩対策を通して、情報システムで扱うデータのほか、帳票類も含めた情報セキュリティの確保に努めております。しかしながら、これらの対策で防ぎきれない自然災害、機器故障および不正アクセス等によって、情報システムの停止や個人情報および機密情報の漏洩が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、公共性の高い鉄道事業を主要な事業として経営するほか、不動産業など非鉄道事業の拡大や競争力・財務体質の強化に努め、長期的に安定した経営を目指しております。

株主還元につきましては、財政状態、利益水準、配当性向および経営環境等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスを考慮しながら安定配当を継続することを基本方針としております。なお、次期中期経営計画期間(2026年度~2028年度)においては、現在の株主還元方針に加えて、連結配当性向35%以上を目安とする比率目標を設定するとともに、財務状況や最適資本構成等を踏まえた機動的な自己株式取得を実施することとしております。

剰余金の配当につきましては、中間配当と期末配当の年2回行うことを基本方針としており、決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。なお、当社は、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

 内部留保資金につきましては、公共輸送機関として求められる安全対策ならびにお客さまの利便性向上を目的とした投資や、持続的な事業展開を図るための投資として活用してまいります。

 当事業年度につきましては、上記の基本方針に加え、当事業年度の業績および株主・投資家の期待を意識した株主還元の方向性も踏まえ、中間配当金を前事業年度の1株当たり15.0円から25.0円に、期末配当金を前事業年度の1株当たり20.0円から25.0円に増配し、1株当たり年50.0円(うち中間配当金25.0円)を予定しております。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。期末配当に関する配当金の総額557百万円および1株当たり配当額25.0円につきましては、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年11月13日

取締役会決議

557

25.0

2026年6月19日

定時株主総会決議(予定)

557

25.0